
2025/12/19
省エネと快適性を両立する、SOWOODの家。なぜ、木の家は心地いいのか。そして、それは本当に“省エネ”につながっているのか。今回は、建築設計の実務経験を持ち、現在はエネルギーの専門家として「小さなエネルギーで豊かに暮らせる社会」を目指し活動されている、㈱暮らしエネルギー研究所の服部 杏子さんにお話を伺いました。日本の住まいのエネルギー問題に深く関わり、省エネ住宅の普及に尽力されている服部氏の視点から、SOWOODの木の家が持つポテンシャル、そしてこれから家を建てる方が大切にすべきことについて、詳しくご紹介します。
服部さん:「木をたくさん使うこと」自体が、直接その家の中でのエネルギー消費量を減らすわけではありません。ですが、家の中の快適性を高めることで、結果的に省エネにつながります。特に大きいのが、“木質の内装”です。
・冬|暖房温度を上げなくても「暖かく感じる」理由
SOWOODの家では、室内に現れる木の面積をしっかり確保しています。木はビニールクロスなどと比べて表面温度が下がりにくい素材です。人が感じる体感温度は、空気の温度だけでなく、壁や床など周囲の表面温度の影響を大きく受けます。SOWOODのように木質の内装が多い住まいでは、冬でも壁や床が冷えにくく、同じ室温でも自然と暖かく感じられます。
そのため、暖房の設定温度を必要以上に上げなくても快適に過ごすことができ、結果としてエネルギー消費の削減につながります。
・夏|ジメジメしにくく、体感的に涼しい
日本の夏の不快感の大きな要因は、温度・湿度です。SOWOODの家に使われる木材は、空気中の湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用を持っています。この働きによって、湿度が高くなりがちな季節でも、室内の空気が重たく感じにくくなります。冷房に頼りすぎなくても過ごしやすい環境が保たれることが、SOWOODの夏の快適性を支えています。
・一年を通して|温度のブレが少ない住まい
SOWOODの家は、外皮性能とあわせて、木の蓄熱性能を活かした空間構成が特徴です。木は熱をゆっくりと蓄え、ゆっくりと放出する性質を持つため、室内の温度変化が穏やかになります。急に暑くなったり、冷え込んだりといった温度の揺らぎが少なく、朝から夜まで、季節を問わず心地よさが続く。それが、SOWOODの住まいが「無理なく快適」と感じられる理由のひとつです。
服部さん:SOWOODの全プランに対して行われた温熱・省エネシミュレーション(Energy ZOO)の数値をすべて確認しましたが、率直に言って「とてもバランスのいい、安心できる性能」だと感じました。特に印象的なのは、夏と冬、どちらかに偏ることなく、一年を通して快適に暮らせる設計になっている点です。

・外皮性能(Ua値)|冬の寒さから、しっかり守る力
外皮性能を示すUa値は、家の中の熱がどれだけ外に逃げにくいかを表す指標です。数値が小さいほど、断熱性能が高いことを意味します。国の省エネ基準では、6地域と呼ばれる温暖な地域で0.6W/㎡Kが基準値となっています。それに対してSOWOODでは、0.43W/㎡Kや0.39W/㎡Kといった、より高い断熱性能の水準を、プランごとに安定して確保しています。
・夏の日差しを防ぐ力(ηAC値)|エアコンに頼りすぎない涼しさ
ηAC値は、夏にどれだけ日差しの熱が室内に入りにくいかを示す指標です。この数値が低いほど、夏の強い日射を抑え、冷房効率が高くなります。SOWOODの多くのプランでは、このηAC値が1.0以下、もしくは1.0程度に抑えられています。つまり、夏の暑さを室内に持ち込みにくく、エアコンに頼りすぎなくても涼しさを保ちやすい設計になっています。
・冬の日差しを取り込む力(ηAH値)|太陽の熱を味方に
一方でηAH値は、冬にどれだけ太陽の熱を室内に取り込めるかを示す指標です。一般的には2.5以上あれば十分とされる中で、SOWOODでは3前後のプランも見られます。これは、冬の日射を上手に取り込み、暖房エネルギーを抑えながら、室内を暖かく保てる設計であることを意味します。
ひと言で言えばSOWOODの家は、外の環境に振り回されにくく、一年中、無理なく快適に暮らせる家だということです。性能を数字でしっかり担保しながら、その上で木の質感や空気感といった“感覚的な心地よさ”も大切にしている。そこが、SOWOODの“中身がイケメン”な理由だと感じています。
服部さん:まず、パッシブデザインとは、エアコンなどの設備に頼りすぎず、太陽の熱、光や風といった自然の力を、家のつくりそのものに取り込む設計の考え方です。例えば、夏は強い日差しが入りすぎないように窓につけるシェードなど付属部材や庇(ひさし)を工夫し、冬はしっかり取り込めるように窓の大きさなどに配慮する。さらに、風が通り抜けやすい間取りにすることで、冷房が必要になりにくい住まいをつくります。こうした工夫は、見た目では分かりにくいものの、エネルギー消費量に大きな差を生みます。パッシブデザインを取り入れた家とそうでない家とで、窓の配置や大きさの違いだけでも、エネルギー消費量が約2割変わるという結果が出ています。この約2割は、今の電気代だけでなく、将来、電気料金が上がったときほど効いてくる差。住み始めてから、じわじわと効いてくる設計の力と言えます。
SOWOODの設計は、「建築をつくる側としてできる、光熱費を下げる工夫が、もう全部盛り込まれている」そんな印象ですね。

服部さん:長く愛される家は、見た目の美しさだけでなく、暮らしやすさを支える機能を備えています。これからの住まいには、構造の強さに加えて、エネルギーの視点が欠かせません。断熱や窓といった、普段は意識しにくい部分こそが、日々の快適さを左右します。家を建てる前だからこそ、省エネを賢く取り入れる視点を持っていれば、住み始めてからの安心感は大きく変わります。そして、住まいを通して社会全体をより良くしていくことにもつながっていくと思います。
株式会社 暮らしエネルギー研究所
服部 杏子さん
高校時代から建築設計を志し、戸建て住宅の企画・リフォーム設計、建築現場に携わる。東日本大震災を機に「小さなエネルギーで豊かに暮らせる社会」を目指し、省エネ分野へ転向。2013年より一般社団法人 Forward to 1985 energy life (https://to1985.net/ ) 事務局にも携わる。省エネ住宅に関する資格試験の運営や、環境省「うちエコ診断」でのアドバイスを行うほか、外皮性能・エネルギー消費性能計算、室温・光熱費シミュレーションなどの講師としても活動している。
| 編集後記: 取材を通して印象に残ったのは、性能や数値そのものよりも、それらが暮らしの中でどう作用するか、という視点でした。幼少期から環境問題に関心を持ち、現在も自身の暮らしの中で、快適性とエネルギー消費の関係を検証し続けている服部さん。その言葉の背景には、研究と実体験の両方に裏打ちされた確かな実感があります。快適さとは、特別な工夫の結果ではなく、日常の中で無理なく続いていく状態。今回の取材を通して、住まいの「中身」が暮らしの質を静かに支えていることを、改めて考えさせられました。 服部さん、ありがとうございました! |