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2026/05/07 【プレスリリース】国産材をふんだんに使った深呼吸したくなる木の家SOWOOD:「Type_005 表裏のない平屋」を発表 2026/05/07 【プレスリリース】国産材をふんだんに使った深呼吸したくなる木の家SOWOOD:「Type_005 表裏のない平屋」を発表
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05.ライブラリー > 2026/06/02 【設計担当に聞く】住まう人が心地よさを発見する“余白”。18坪の最小構成が拓く「Type_005 表裏のない平屋」

2026/06/02

【設計担当に聞く】住まう人が心地よさを発見する“余白”。18坪の最小構成が拓く「Type_005 表裏のない平屋」

SOWOODは2026年4月28日、新たなセレクション「Type_005 表裏のない平屋」を発表しました。わずか18坪というコンパクトな空間でありながら、SOWOODの基幹となる設計思想が詰め込まれた建築に。今回は、設計を担当した建築士・安河内健司さん(FANFARE Inc.)に、この建築設計に込めた想いを聞きました。


18坪という「ちょうどいい最小」から広がる可能性
―― 今回の「Type_005表裏のない平屋」を設計するにあたり、まず「基本に忠実であること」を掲げられました。その意図を教えてください。

安河内さん:SOWOODというブランドがこれまで積み上げてきたものを、一旦ゼロベースで捉え直し、最もシンプルな要素から順調に積み上げていきたいという想いがありました。これまでの歩みの中で見えてきたものを大切にしながら、その根幹をより強固なものにする 。未来へ向けて純度の高い一軒をつくり上げるために、まずは「最もシンプルな形」から丁寧に積み上げていく。それが、設計として本来あるべきプロセスだと考えたからです。


―― 今回行き着いたのが「18坪(約59.5㎡)」というサイズですね。

安河内さん:はい。ただ、『暮らしに必要な最小限とは何か』を考えたとき、その正解は一つではないと思っています。住む人や場所によって千差万別であるべきだと思っていますし、敷地条件や家族構成によって最小単位は大きく変わります。たとえば、世の中の「最小限住宅」の特殊解を見渡せば、業界で有名な9坪ハウスもありますし、私自身の母の家も16坪で設計しました。それくらい、最小の形というのは本来自由なものです。

ただ、SOWOODが目指すのは多くの人に寄り添う規格住宅です。極端なミニマリズムに振るのではなく、単身者はもちろん、2〜4人世帯の核家族であっても工夫次第で十分に、ゆとりを持って住みこなせる。行き過ぎない「ちょうどいい最小単位」として導き出したのが、この18坪でした。これを確かな骨格(1モジュール)と定義することで、将来的に部屋を広げたり2階建てにしたりといった、あらゆる変化に応える「基本の形」を目指しています。

1年中、美しく豊かな光がまわる「南北等価」の心地よさ
―― 設計における最大の特徴が、北面と南面の仕様を全く同じにする「南北等価(なんぼくとうか)」ですね。住宅設計の常識を覆す発想ですが、どのような狙いがあるのでしょうか。

安河内さん:従来の住宅設計では、日当たりの良い南側を「表」、その反対を「裏」と定義するのが一般的です。しかし、その固定観念に縛られると、道路がどちらにあるか、隣家がどう建っているかといった敷地条件に左右され、設計のパターンが際限なく増えてしまいます。
「Type_005 表裏のない平屋」では、窓の配置やサイズ、さらには玄関の仕様までも南北で同一にしました。これにより、光や風の通り道を固定概念から解放し、どのような土地においても自然の恵みを最大限に引き出せます。
というのも、少し前に「近年の地球温暖化によって、人々の関心が『寒さ対策』から『暑さ対策』へとシフトしている」というニュースを目にしたんです。南側の強い直射光による『暑さ』を避け、むしろ『暑くない、穏やかな明るさ』を求める人が増えている、と。

―― なるほど。現代の気候や暮らしの変化が、住まいへのニーズを変えつつあるのですね。

安河内さん:そうなんです。この「暑くない明るさ」を賢く採り入れるという現代ならではの発想は、今回提案している「南北等価」の考え方にも深く通じるところがあります。

―― 「北側の窓」の魅力についても、ぜひ詳しく伺いたいです。

安河内さん:実は、私個人としては「北側の窓は最高に贅沢な窓だ」と思っているんです。南側の直射光は時間や季節で激しく変化しますが、北側の光は一日中、そして一年中、季節に左右されることなく安定して室内に届きます。
この光は、建築の言葉で『天空光(てんくうこう)』とも呼ばれるのですが、太陽光が大気中で散乱して、空全体が柔らかく光ることで生まれるもの。壁などの遮蔽物に反射した光ではなく、上空から包み込むように届く『空全体の光』だからこそ、あの独特の心地よさが生まれます。
おまけに、北側の窓から外を眺めると、庭の植物たちが太陽(南)を向いて一番美しい“良い顔”を見せてくれる。家の「表裏」を作らず、南北の風景をシームレスにつなぐ在り方が、建築としての根源的な強さと豊かな日常を生むと考えたんです。

水上に浮かぶボーディングデッキのような佇まい
―― 外観において、建物が地面から浮いているような視覚効果を狙っている点も非常にユニークですね。

安河内さん:建物の周りを囲むコンクリート(土間)の厚みをあえて100mmに抑え、階段との間に隙間を設けています。イメージしたのは、水上にふわりと浮かぶボーディングデッキ(乗船場)です。
ふさわしい土地を選び、そこにしっかりとアンカー(錨)を下ろして、そこから日々の暮らしが始まっていく。設計で目指したのは、敷地に対して住まいを閉ざすのではなく、環境と呼応する潔い佇まいです。
建物の周囲を巡るデッキは、室内と外の境界をゆるやかに繋ぎ、その土地の光や風を自然に採り込みます。家全体をぐるりと回れる回遊性は、日々の動線をスムーズにし、暮らしの中に心地よい開放感を与えてくれるはずです。

構造美を極限まで引き出す「引き算のディテール」
――伝統的な板倉構法を現代の住まいに落とし込む際、どのような点にこだわりましたか。

安河内さん:板倉構法は、木の柱や梁(はり)がそのまま室内のデザインになるごまかしの効かないつくりです。通常の住宅なら壁の中に隠してしまう電気の配線や水道の配管も、ここではデザインの一部になります。だからこそ、今回は「余計な装飾をしない」という引き算のディテールを徹底しました。設備をコンパクトに集約し、構造そのものの美しさを引き出しています。

――室内をよく見ると、細いワイヤーのような補強材も見えますね。

安河内さん:現代の住宅として最高耐震基準(耐震等級3)を満たすことは必須条件ですが、伝統的な板倉の美しさを損なう分厚い耐力壁は極力つくりたくなかった。そこで、視界を遮らない細い線のような補強材(コボット)を選びました。
設計者としての本音を言えば、これさえも無くして完全な大空間にしたかったほど、極限まで引き算したかった部分です(笑)。しかし、安全性を妥協なく担保した上で、構造美を1ミリも邪魔しないためにミリ単位で削ぎ落としたディテールでもあります。削ぎ落として最後に残った強固な「骨格」にこそ、SOWOODの本当の格好良さが宿ると思うのです。

住む人の想像力を刺激するSOWOOD共通の“自由な器”
―― 18坪という空間は、住む人によって様々な表情を見せそうですね。

安河内さん:まさに、この家は“暮らしの器”です。リビングを土間にすれば、薪ストーブを楽しんだり、創作活動のアトリエとして使ったりすることもできます。キッチンや浴室といった生活感の出る場所は端にまとめ、家の真ん中に「気持ちよく抜けた場所(余白)」を確保しました。
実は、この「住まい手が手を加えながら、自分らしく家を育てていく」という理念は、今回のType_005に限った話ではありません。Type_001から連なる、SOWOODの全ラインナップに共通して強く流れている、ブランドの根幹にある思想です。
家を完成形として引き渡すのではなく、暮らしの変化を受け止めるための“余白”をあらかじめ残しておく。このシンプルな構成と普遍的な価値があるからこそ、住まい手はその時々の心地よさを発見し、何十年も愛着を持って住みなじんでいくことができる。新たなラインナップの「Type_005 表裏のない平屋」は、そのSOWOODの思想が最もピュアな形で凝縮されたベースと言えます。この最小限の空間に込めた“余白”から、木と暮らす本当の心地よさを感じていただければ幸いです。


FANFARE Inc. 
安河内 健司さん

建築設計で25年以上のキャリアを持つ一級建築士。一級建築士事務所や大学研究室勤務を経て、昨年よりFANFARE Inc.で活動。設計において大切にしているのは、敷地に対して住まいを閉ざすのではなく、周囲の環境と呼応する潔い佇まい。光や風の通り道を固定概念から解放し、その土地ならではの自然の恵みを最大限に引き出す空間づくりを追求している。