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現在、SOWOODの平屋モデルハウス(Type_003)のドアにはワインやシャンパンのコルク栓をアップサイクルして生まれた壁材「リコルクウッドパネル」が使われています。木をふんだんに使い持続可能な家づくりを進めているSOWOODの家に、調和する素材です。
今回は、“ゴミを価値に変える”アップサイクル製品開発のリーディングカンパニー、日本エムテクス株式会社の代表取締役社長・三浦 征也さんに、SOWOODの家とリコルクウッドパネルについてお話を伺いました。

日本では、シャンパンを含まないワインだけでも年間約4億5千万本が消費され、その数だけコルク栓が生まれています。リコルクウッドパネルは、飲食店やホテルなどで日々排出されるワインやシャンパンのコルク栓を「ゴミ」ではなく「素材」と捉え、回収・選別・加工を経て新たな価値を付与したアップサイクル壁材です。 「コルクは、もともと環境性能の高い素材です。カシの木(樹齢約150年)の樹皮を原料としていますが、この樹皮は10〜15年に一度採取でき、木を伐採する必要がありません。持続的に採れる“循環型の資源”なんです。私たちは、その資源をさらに再利用することで、アップサイクルの価値を最大化しています。」と三浦さん。
さらに、回収プロセスにも独自の仕組みがあると三浦さんは話します。
「この回収はNPO法人RE機構様が行っております。回収されたコルク栓には、プラスチックや金属製の栓が混在しているため、丁寧な分別作業が欠かせません。この工程は障害者支援施設に依頼しており、廃棄物削減と社会的雇用の創出を同時に実現する取り組みになっています」。
素材の背景からサプライチェーンまで、一連のプロセスに“社会的価値”を組み込む姿勢は、資源循環型社会づくりに貢献するという企業理念を具体的なアクションとして体現しています。

リコルクウッドパネルでは、コルク栓を“粉砕しすぎない”独自の加工方法を採用しています。あえて粗めに砕くことで、コルク本来の質感や立体感が際立ち、なかにはワインの刻印がそのまま残るピースもあります。素材そのものが持つストーリーを、デザインとして空間に落とし込んでいる点が特徴の一つです。
機能面でも、コルクは優れた性能を発揮します。断熱性・保温性が高く、吸音・防音(遮音)にも効果を発揮するため、住宅から商業施設まで幅広く採用されている素材です。環境性・意匠性・機能性の三要素を兼ね備え、現代の建材として注目されています。
こうした素材の特性が、SOWOODの家づくりとも親和性を持つと三浦さんは強調します。
「SOWOODの家は、一般的な住宅の約2~3倍の木材を使用するのが特徴ですよね。木は光合成によってCO₂を蓄えているので、家そのものが“CO₂バンク”として機能しています。私たちのリコルクも、もともと環境性能の高いコルクを再利用して生まれた素材です。SOWOODが掲げる『森と未来をつなぐ家づくり』というメッセージを、素材というレイヤーからさらに強める役割を果たせると考えています。」

リコルクウッドパネルが住まい手にもたらす価値は、機能性だけではありません。三浦さんは「最大のメリットは“サプライズ(驚き)”と“学び”だと思っています。素材が持つストーリーが、日々の暮らしに新しい視点や発見をもたらします。」と語ります。
まず、暮らしの中で感じられる“驚き”について「例えば、来客に『このドア、実はワインやシャンパンの古栓からできているんですよ』とお話しすると、多くの方が『えっ、そんな素材があるの?』と驚かれるんです。この“語りたくなる感じ”が住まい手の楽しさにもつながると思っています。」(三浦さん)

さらに、この素材は“環境教育”にもつながると三浦さんは続けます。「環境のことを勉強として伝えるのは難しいですが、リコルクには『本来なら捨てられるものを大切に使う』というストーリーがあります。子どもに“これ、本来は廃棄されていたものなんだよ”と話すだけで、環境への意識を自然と育めるきっかけになっていくと考えます。また、コルクは木材と同じように経年変化を楽しめる素材で、長く使うほど味わいが増していく点も魅力。コルクに含まれる水分や油分が抜けすぎないよう、定期的なワックスがけを推奨しています。手をかけるほど愛着が深まる点は、SOWOODの“長く大切にできる家づくり”の考え方にも通じています。」(三浦さん)
「身近なものから身近なものへ」というポリシーでアップサイクルされた素材だからこそ、SOWOODとの相性の良さが感じられる住空間の一つであるドア。
素材に込められたストーリーが暮らしに深みをもたらし、資源を無駄にしない循環の発想が未来につながっていく。リコルクウッドパネルのドアとSOWOODの家は、そんな“語りたくなる暮らし”を実現する、新しい扉です。
<プロフィール>
日本エムテクス株式会社 代表取締役社長
三浦 征也さん
日本エムテクス株式会社は、2003年からアップサイクル活動を継続し、その技術とノウハウを建材事業として事業化している国内唯一の企業。「不要なものに新たな価値を与え、改めて新しいものを生み出す」というアップサイクルの概念を基盤に、環境配慮と持続可能性を両立させた高付加価値製品を提供。一般社団法人GOMITAIJI 代表理事でもある。